辻本氏・中西氏の作品について

立体部 安 茂

辻本さんは、『山羊』と『鳥』という題名の鉄の作品2点。鉄の部材を自由に溶接した作品は、高い技術に裏打ちされた楽しい作品。ユーモア感があって、微笑ましい。山羊の舌からの「めえ」という細い鉄棒の文字には、驚く。暗い所で、照明によってできる影は美しいだろうなあと想像する。

中西さんは、『forte』と『誕生』という題名の石の作品。前者が緑の大理石、後者は御影石。本展では、人体であったが今回は、抽象。辻本さんと同様に確かな技術で制作されている。磨き面、ノミ打ち跡の比率が暖かい。『誕生』の台石の上面のウェーブがとても快い。

繰り返すが、お二人とも、素材に習熟されている。立体部として今後が大変期待される。是非、これからも、良い作品を発表していただきたい。

辻 本 又 慶
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中 西 保 裕
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